ドロスの発生を70%抑え、実装コストを大幅に削減

2010年10月18日

欧州のRoHS指令に伴い、Sn-Ag-Cu系はんだを中心とするPbフリーはんだの導入が始まり約10年が経過し、最近では実装技術の多様化に伴い、はんだ材料に要求される特性・性能も多岐にわたってきている。

はんだ材料を大量に使用するフローソルダリング分野では、特に材料のコストダウン要求が強く、銀の含有量を低減した「第2世代フロー用はんだ材料」がJEITAから提言され、導入が進んできた。  

フローソルダリングは、接合材料として製品に消費されるよりもドロスとして廃棄される量が多い工法であり、ドロスの発生を抑制して生産効率を上げることが、コストダウンへの大きな要素となる。

千住金属工業株式会社は、品質を維持し材料費とドロスの発生量を同時に低減した『エコソルダーM24MT』を開発した。本材料は高価な銀を一切使わず、Sn-Cu-Niを合金組成の軸とし、PとGeの微量添加により、従来のはんだ材料よりもドロス発生量を最大70%低減させることに成功した。PとGeはドロス抑制元素としてフローソルダリング分野においては既に実績はあるが、PとGeを複合添加した本製品は、その効果を更に高めている。

また、Pはドロスを塊状から粉状へ変化させ、生産現場でのドロス分離作業の時間を短縮させる効果がある。

このエコソルダーM24MTは、材料費の低減・ドロス量の低減・ドロス分離作業の高効率化と3拍子揃っており、ユーザーの実装コスト低減を強烈に後押しする。更に、生産効率の向上に伴い、エネルギーコストの削減も期待できる環境配慮製品である。

一方、武力紛争の資金源とならないよう、米国を中心にコンフリクト・ミネラル排除の動きが加速している。2010年、米国では金融規制改革法を可決成立させ、米国上場企業に製品へのコンゴ産Sn鉱石の不使用や、鉱物の出所について第三者が作成した報告書の提出を義務付けている。不提出や虚偽の報告をすれば、法的な制裁を受ける可能性がある。

千住金属工業株式会社及び関係会社は、本状況及び支援しているEICCの主旨に賛同し、金属原材料の購入先や鉱石調達鉱山の確認を行い、コンゴ民主共和国産の原材料を使用していないことを確認した。

同社は「環境配慮と企業の社会的責任を果たして、安くて良いものを」をスローガンに、はんだ材料の開発・製造・販売を目指している。

 

 

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